富士屋ホテル(Fujiya Hotel)宿泊記|建築美と天然温泉に満たされる、箱根の憧れクラシックホテル

富士屋ホテルの外観。箱根・宮ノ下にある歴史的なクラシックホテル
箱根・宮ノ下のランドマーク的存在の富士屋ホテル

箱根「富士屋ホテル」は、私がクラシックホテルに本格的に興味をもつきっかけになったホテルです。

実際に伺ってみると、「歴史と伝統のある有名ホテル」という枠を超えた唯一無二の魅力にすっかりハマってしまい、そこから日本各地のクラシックホテルを巡るようになりました。

富士屋ホテルのお部屋は「本館」「西洋館」「花御殿」「フォレスト・ウィング」の4棟に分かれています。私はまだ西洋館と花御殿にしか泊まったことはないのですが、今回はその2つのお部屋の魅力と、ホテルの共用部分などを中心にたっぷりとご紹介します。

お部屋はそれぞれ造りが異なりどれも魅力的なので、「これからも定期的に伺って、いつか全てのお部屋を制覇したい!」と密かに企んでいます(笑)。

目次

富士屋ホテルの基本情報

項目詳細
ホテル名富士屋ホテル
エリア箱根 宮ノ下
所在地[Googleマップで見る]
公式サイトhttps://www.fujiyahotel.jp/
ホテルの特徴登録有形文化財の和洋折衷建築、全ての客室に天然温泉風呂
価格帯の目安1泊 約3.5万円〜20万円(部屋タイプ・予約サイトによる)
おすすめの対象夫婦・カップル、親子、友人、特別な記念日旅行など

富士屋ホテルの歴史

富士屋ホテルは1878年(明治11年)、日本初の本格的リゾートホテルとして開業しました。創業者の山口仙之助氏が、当時外国人向け民宿として好評を博していた金谷カッテージイン(現在の金谷ホテル)や大津の開花楼などを参考とし、今で言う「インバウンド需要の高まり」を予見して立ち上げた一大プロジェクトでした。

当時、車の通れる道がない状態だった箱根の山に、道路敷設を主導したのもこの山口仙之助氏です。

その後も富士屋ホテルは時代にあわせて増改築を繰り返しながら、火災や戦禍などを乗り越え、平成の大改修を経て「歴史的価値」と「安全性や快適さ」を両立するホテルとして存在しています。皇族をはじめ、夏目漱石、三島由紀夫、チャップリンやヘレン・ケラー、ジョン・レノンといった数々の著名人も宿泊しており、それぞれのエピソードは館内の「ホテル・ミュージアム」で触れることができます。

[公式サイトでさらに詳しい富士屋ホテルの歴史を見る]

宿泊記①:西洋館のお部屋(ヒストリックデラックスツイン)

明治時代の洋館建築を味わえる富士屋ホテル「本館」と「西洋館」
右側が「本館」、左側が「西洋館」

はじめて富士屋ホテルに伺ったときに宿泊したのが、西洋館のヒストリックデラックスツインでした。西洋館は、富士屋ホテルのなかで本館の次に古い建物です。

外観は明治時代の洋館らしい雰囲気。私が宿泊したお部屋の壁は、可愛らしい桃色(ピンク)でした。この桃色は、関東大震災後に塗られた「桃色漆喰」というものが平成の大改修の際に発見され、当時のままに再現されたものだそうです。

富士屋ホテル「西洋館」ヒストリックデラックスツイン 桃色漆喰が復元された可愛らしいピンク色の壁

西洋館の客室は白色の壁のお部屋の方が多いようなのですが、予約の際に「結婚記念日での宿泊」とお伝えしていたため、ロマンチックなこちらのお部屋をアサインしてくださったのかもしれません。

そして、女性ならきっとときめくであろう猫脚バスタブ!

後述しますが、この素敵なバスタブで「箱根の天然温泉」をゆったり楽しめるのが、温泉好きとしては本当に至福の時間でした。天井がとても高いので、実際の平米数以上に広々と感じられる素晴らしいお部屋です。

宿泊記②:花御殿のお部屋(ヒストリックデラックスツイン)

フラワー・パレスとして知られる寺社仏閣のような外観の「花御殿」

2度目の宿泊は、花御殿のヒストリックデラックスツインを選びました。

花御殿は、3代目の山口正造氏が自ら設計したこだわりの建物。名前の通り、寺社仏閣のような特徴的な外観をしており、「フラワー・パレス」として海外にも広く知られるようになりました。全43室のお部屋には、番号ではなく一つひとつ「花の名前」がつけられています。

このとき泊まったお部屋の内装は西洋館に比べるとややシンプルでしたが、ホテル前の通りと向かいの山々が見渡せる、非常に眺望の良いお部屋でした。

お風呂は西洋館とは異なり、現代的な使いやすいデザイン。もちろんこちらも天然温泉が引かれているのでポイントが高いです!

花御殿には、このヒストリックデラックスツイン(33室)の他にスイートルーム(7室)があり、そちらはさらに「花御殿らしさ」が感じられる豪奢な造りになっているそうです。いつかスイートルームにも泊まってみたいですね。

富士屋ホテル 3つのおすすめポイント

おすすめポイント① 和洋折衷にとどまらない!唯一無二の建築美

日本各地のクラシックホテルは、どこも建築自体が素晴らしく見るだけで楽しめる場所ばかりですが、富士屋ホテルの建築の「唯一無二さ」は群を抜いています。私は建築に関して素人ですが、そんな素人の目から見ても感動する意匠がそこかしこに散りばめられています。

和洋折衷の建築美が光る富士屋ホテルの見事な正面エントランス
富士屋ホテル本館の正面エントランス
富士屋ホテル「レストラン・カスケード」の美しいステンドグラス
「レストラン・カスケード」の美しいステンドグラス

現代のホテルでは考えられないような、設計者の異常なまでのこだわりや美意識を細部にまで感じられる建築は、間違いなく一見の価値ありです。

おすすめポイント② 大浴場でもお部屋でも、天然温泉を堪能できる

箱根といえば、やっぱり温泉ですよね。富士屋ホテルでは、大浴場でも客室のお風呂でも、どちらでも箱根の天然温泉を楽しむことができます。

これ、クラシックホテルにおいては実はけっこう凄いことなんです。「大浴場」と「客室」の両方で温泉を楽しめる日本のクラシックホテルは、富士屋ホテル以外にはありません。(※客室で温泉を楽しめるのは富士屋ホテル、万平ホテル、蒲郡クラシックホテルの一部客室のみ。大浴場があるのは富士屋ホテル、雲仙観光ホテル、川奈ホテルの3つのみです)

この事実を知ると、富士屋ホテルの設備がいかに貴重で贅沢なものかおわかりいただけると思います。

おすすめポイント③ 公共交通機関のみでもアクセス良好&充実の周辺環境

車がなくてもアクセスしやすい点も大きな魅力です。

箱根湯本駅から箱根登山鉄道で約25分、「宮ノ下駅」から徒歩7分ほど。または箱根湯本駅から箱根登山バスで約30分でホテルまで到着します。

富士屋ホテルの最寄り駅、箱根登山鉄道の「宮ノ下駅」
箱根登山鉄道の「宮ノ下駅」

個人的には、この登山鉄道が急坂を一生懸命昇っていく感じが「旅に来た!」というワクワク感を高めてくれて大好きです。(※駅からの定時送迎バスはありませんが、足の不自由な方などは個別に対応していただける場合があるようなので、詳細はホテルへお問い合わせください)

また、周辺には彫刻の森美術館やポーラ美術館、ロープウェイや芦ノ湖など、観光スポットが目白押し。ホテルのチェックアウト後も観光には困りません。アクティブに動きたい方には小田急の「箱根フリーパス」もおすすめです。

もちろん、あちこち歩き回らずにホテル内に留まって、見事な庭園などをゆっくり散策する過ごし方も最高です。

知っておきたいポイント:夕食の選択肢

クラシックホテルに宿泊する際、夕食はホテル内のメインダイニングでいただくのが王道ですよね。

私も最初に宿泊した際は、夕食を「レストラン・カスケード」でいただきました。お料理はとても美味しく、ステンドグラスをはじめとした建築も楽しめて素晴らしい体験でした。

ただ、ホテルのディナーとなると2人で3万円以上と、なかなか贅沢になってくるのも正直なところ。。。

そこで2回目の宿泊時は、「夕食はホテルの外で済ませ、朝食のみをホテルでいただく」というスタイルにしてみました。富士屋ホテルの周辺(徒歩圏内)には、いくつか評判の良い飲食店があります。

私のおすすめは、富士屋ホテルのすぐ傍にあるイタリアン「La Vazza(ラ・ヴァッツァ)」さん。お店の雰囲気はとてもカジュアルなのですが、お料理は本格的。それもそのはず、パレスホテルや富士屋ホテルで腕を磨かれたシェフが開いたお店だそうです。

ディナーの選択肢が外にもあると知っていれば、連泊やリピート宿泊のハードルもグッと下がりますよね。

まとめ

富士屋ホテルは、クラシックホテルならではの重厚な歴史的建築美と、全室温泉付きという現代的な快適さが見事に融合した、まさに唯一無二のリゾートホテルです。

日本クラシックホテルの会が発行している「クラシックホテルパスポート」を集めている方にとっても、ここは絶対に外せない憧れの場所ですよね。ちなみにパスポートのスタンプはランチやカフェの利用だけではもらえず、宿泊が必須条件。だからこそ、実際に泊まってスタンプを押してもらったときの達成感には特別なものがあります。

箱根というアクセスの良さもあり、過度に歩き回って疲れたり汗をかいたりすることなく、優雅で清潔なおこもりステイが叶うのも大人旅としては最高の環境です。

大切な人との記念日旅行や、心身を癒やすご褒美ステイをお考えの方は、ぜひ一度富士屋ホテルを訪れてみてはいかがでしょうか。

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